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和食の正しいマナーを学ぶ|料理の食べ方、お酒の飲み方、器の持ち方

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フレンチやイタリアンの高級レストランや中華料理ならテーブルマナーに馴染みがある人でも、和食の会席料理となると身構えてしまう人もいるでしょう。
和食はユネスコの無形文化遺産に登録されている世界に誇る食文化です。だからといって、かしこまる必要はありませんが、大人の女性ならさらりと優美なしぐさで品格と教養を見せたいところです。
今回は、正しい和食のマナーを身に付けたい女性のために、ドレスコードから料理の食べ方、意外としがちなNGマナーまで詳しくお伝えします。

【目次】
1.和食をいただくときの基本的なマナー
2.料理別の正しい食べ方・飲み方
3.和食のNGマナー
4.洗練された和食のマナーを身に付けましょう

和食をいただくときの基本的なマナー

基本的なマナーが身に付いていれば、和食の席でも緊張しすぎることなく自然に振る舞えます。まずは、基本的なマナーをご紹介します。

●高級和食店のドレスコード
料亭など日本料理をいただくお店では、和室の落ち着いた雰囲気の中、お膳や座卓と呼ばれるテーブルの前に正座して食事をします。決められたドレスコードはありませんが、高級感の漂う店では、フォーマルに近い装いが望ましいでしょう。

・服
高級料亭などでは着物がベストですが、普段から着慣れていない人にとっては、立ったり座ったりといった動作による着崩れや、食事中に汚してしまうことが心配です。着物を着ることになったときはあらかじめ、着物での動き方や食べ方を練習しておくと良いでしょう。

洋服なら、スーツやワンピースなどのきちんとした格好が合います。鮮やかな色や奇抜なデザインは避けてください。ボトムスは、膝丈より長くゆったりしたスカートを選びましょう。丈が短いと正座したときに膝や腿が露出してしまいます。タイトなパンツも正座に向きません。
和食のマナーでは、正座が苦しくなったら足を崩して座っても問題ないのですが、外から見たときに足を崩しているのがなるべくわからないように意識しましょう。ゆったりしたデザインをおすすめするのは、そのためです。

上着はお店に入る前に脱いでおき、帰りに着るときはお店の入り口で着るようにします。

・靴
洋食のレストランと違い、日本料理の高級店では大抵靴を脱いで座敷に上がります。脱ぎやすい靴がおすすめですが、サンダルやミュールはフォーマルな装いには合いません。もし履くなら素足は避け、ストッキングをはきましょう。

・メイクとアクセサリー
和食には、料理だけでなく器の模様や風合いを楽しむ文化があります。器に目立つ口紅の跡がつかないよう、メイクは控えめにするのがポイント。
また、大きな指輪やネックレスなどは、器に当たって傷つけてしまうおそれがあるため、あらかじめ小さなものを身に着けるか、食事中は外すようにしましょう。

・香水と髪型
料理の繊細な味や香りを邪魔しないよう、香水は控えるのがマナーです。
髪型も、料理を邪魔しないことが大前提です。肩に付くくらいの長さなら、髪はまとめましょう。料理の上で長い髪が揺れるのは衛生的ではないですし、見た目にも不快感があります。和食の席では、華やかさよりもすっきりと清潔感のある髪型を意識することが大切です。

●和食の基本的なマナー
日本料理には、最も本格的なもてなし料理である「本膳料理」と、本膳料理を簡素化した「会席料理」、茶席で振る舞われる「懐石料理」などがあります。現在和食のお店で出されるのは主に会席料理で、宴席でお酒とともにいただきます。

最初から料理が並べられていることもありますが、洋食のコース料理のように順番に提供されることもあります。それぞれの料理ごとに食べ方のマナーがあるので、ややこしく感じるかもしれませんが、共通のマナーを知っておけば意外と覚えるのは難しくありません。

・器を持ち上げるときは箸を置く
箸を持ったまま器を取り上げるのはマナー違反です。必ず、先に器を持ち上げてから箸を取りましょう。器を置くときは、逆にお箸を先に置いてから器を元の位置に戻します。
お椀も小皿も同じ順番です。

・薄味のものから順に食べ進める
基本的に、味の薄いものから1品ずつ食べ進めます。順番に食べていくと、熱い状態で出てきた料理も食べる頃には食べやすい状態になっているはずです。
一皿に数種類の料理が乗っている場合は、美しい盛り付けをできるだけ崩さないよう、手前側、もしくは端から順にいただきます。

・器の中で一口大にしてから口に運ぶ
どうしてもお箸で切れず噛み切るときは、口元を隠します。手皿はマナー違反です。大きめの物をお箸でつかむときや、汁が落ちそうな料理を口に運ぶときなどにしてしまいがちなので気をつけましょう。できれば懐紙(ふところがみ)を持参して、口元を隠したり、受け皿として使ったりしましょう。
懐紙とは和紙を二つ折りにしたものです。和食の席でとても役に立つので、ネット通販で購入するか、和装小物や和雑貨、茶道具などを売っているお店で探してみてください。

・お箸を置くときは必ず箸置きを使う
箸置きがない場合は箸袋を折って箸置きとして使います。箸袋もないときには、懐紙を折って箸置きを作りましょう。
お箸を置くときは、箸先を箸置きから3~4センチほど出し、汚れた部分が当たらないようにします。

料理別の正しい食べ方・飲み方

今度は、先ほど覚えた基本にプラスして、料理別の食べ方と飲み方を見ていきましょう。

●お酒と先付け
通常は日本酒とともに1~3品の軽い料理(おつまみ)が出てきます。これを「先付け」といいます。
まずはお銚子(おちょうし)からお猪口(おちょこ)に日本酒を注ぎましょう。注いでもらうときは両手でお猪口を持ち、注ぐときも両手でお銚子を持ちます。八分目まで注ぎ、乾杯を待ってから一口飲み、それから先付けに箸を付けます。
1度に飲み干さず、2、3回に分けて飲みきるのがマナーです。また、お酒が苦手な人も、乾杯のときは一口だけでも口をつけるようにしましょう。

●前菜
数種類の料理の盛り合わせが出されます。前菜は季節感が大切にされていて、旬の食材を使った料理が美しく盛り付けられています。盛り付けを崩さないよう、端や手前側から箸を付けていきましょう。

●椀物
ふた付きのお椀で出てくる汁物です。ふたの開け方や置き場所、食べ終わった後にふたをどうするかが悩みどころでしょう。
下記の順番を参考にしてください。後から出される煮物などのふたも同じ手順で扱います。

・開け方
1. 左手で椀を押さえ、右手でふたを開ける。
2. お椀の上でふたを縦にして内側の水滴を落とす。または懐紙の上で水滴を切る。
3. ふたの内側を上向きにして、お椀の右側に置く。

初めはお箸を置いたまま、汁だけ一口飲みます。その後は汁と実を交互に味わいましょう。魚の骨など食べかすが出る場合は、ふたに乗せておきます。懐紙があればふたに懐紙を敷くのがスマートです。

・食べ終わったら
1. 食べかすをお椀の中に入れる。懐紙を使った場合は懐紙ごと入れる。
2. ふたを元に戻す。裏返しのままふたを閉めるのは、器を傷めてしまうのでNG。

●お刺し身
季節の魚と「つま」(お刺し身と一緒に添えられている千切りの大根やワカメ、しその花などの総称)が盛り付けられて出されます。つまはお刺し身と一緒に食べますが、赤身魚の下に敷かれている赤く染まった「けん」(つまの一種で大根やにんじんを千切りしたもの)は残して構いません。

醤油を入れた小皿を左手で持ち上げ、お刺し身に付けた醤油を受けながら食べます。醤油皿ではなく、懐紙で受けても良いでしょう。
わさびを醤油に溶かすのはマナー違反と思われがちですが、特に問題はありません。ただ、せっかくの旬の魚とわさびの風味を楽しむには、お刺し身に少量わさびを乗せ、醤油をつけて食べるほうがおすすめです。

●煮物
季節の野菜と魚介類の炊き合わせです。汁が落ちてしまう場合は器を持ち上げて食べましょう。大きめの器で持ち上げにくい場合は、ふたか懐紙で汁を受けます。

●焼き物
尾頭付きか切り身の焼き魚が一般的です。
左端から食べ進めていきます。尾頭付きの場合は上側の身を食べてから、そのまま裏返さずに、小骨を取り除きながら下側の身を食べます。
皮は食べなくても構いません。残った骨や皮はお皿の端に寄せましょう。懐紙があれば懐紙で覆って隠します。
付け合わせで出てくる生姜の酢漬けは「はじかみ」といって、魚の生臭さを消すためのものです。魚を食べ終わった後に食べてください。

●酢の物
小さな器にきれいに盛られて出されるので、両手で持ち上げ、右手でお箸を持ってからいただきます。「もずく」のようにお箸で掴みにくい物が出てきた場合は、器に口をつけてすするようにして食べましょう。ただし、そのときは音を立てないよう気を付けてください。

蒸し物
定番は茶碗蒸しです。器の敷皿に左手を添えてふたを開けます。
器が持てる程度の熱さであれば、両手で持ち上げてからスプーンを持ちます。熱くて持ち上げられなければ、置いたまま敷皿に左手を添えて食べます。

●揚げ物
天ぷらの盛り合わせが一般的なメニューです。
他の盛り合わせ同様、盛り付けを崩さないよう手前から食べていきます。天つゆの他に塩やカボスなどが出てくるので、好みで選んで味わいましょう。
天つゆを使うときは、大根おろしなどの薬味を天つゆに静かに入れてかき混ぜ、天ぷらのサクサク感が残るよう、軽くつゆにくぐらせます。一口で食べられないものは一口大に切って食べますが、切るのが難しいものはそのままかじって構いません。できれば、懐紙で口元を隠すと良いでしょう。

●ご飯
香の物と、止め椀という赤だしの汁物と一緒にご飯が出てきたら、お酒はここでストップしましょう。
ご飯もお椀で出てくるので、椀物と同じようにふたを外します。ただし、椀物とは逆に、器の左側へ置くようにしてください。
先に汁物を飲んで実を一口食べ、それからご飯を一口食べます。あとは香の物も一緒に自由に食べ進めて構いません。
お店の人にご飯のおかわりを勧められたら、両手で飯碗を持って受け渡ししましょう。おかわりを受け取ったら1度卓に置き、あらためて器を持って箸を付けます。

ご飯まで食べ終わったら、飯碗と止め椀のふたを戻し、箸置きにお箸を置きます。

●水菓子(果物)
季節の果物が食べやすい大きさに切られて出されます。お箸は使わずに、添えられたスプーンや楊枝で食べるようにしましょう。メロンなどが切れ込みのない状態で出てきた場合は、スプーンで右側からすくって食べ進めます。種や皮が残るものは、懐紙に包んで隠します。

煮物から揚げ物までの流れは、お店によっては順序が入れ替わることもあります。品数も価格によって変わります。

 

和食のNGマナー

普段意識せずにしている振る舞いが、和食の席ではマナー違反になることがあります。具体的に見てみましょう。

●和室での作法のNG
素足でお座敷に上がるのはマナー違反です。必ずストッキングか靴下を着用しましょう。
和室に入ったら、畳の縁や敷居を踏まないように歩きます。
座布団に座るときにも、足で座布団を踏まないように注意して座ります。

・座布団の正しい座り方
1. 座布団の下座側(入り口に近いほう)に膝をつく。
2. 座布団に手をついて、膝を滑らせて座布団の上に進む。
3. 立つときはつま先を座布団から出して、畳の上で立ち上がる。歩き回るときに座布団を踏みつけるのはNG。

●おしぼりのNG
日本料理のお店で出てくるおしぼりは、手を拭くためだけに使うものです。顔を拭いたり、口元を拭ったりするのは厳禁。テーブルを拭くのもマナー違反です。

●箸使いのNG
・移り箸
1度箸を付けた料理を食べかけたまま、次の料理に箸を付けたり、1度取ろうとした料理から他の料理に箸を動かしたりすることです。和食は1品ずつ食べ進めるのがマナー。お箸を付けた料理を全て食べきってから次の料理に移ります。

・かき箸
お箸で掴みにくいご飯などを、器に口をつけてお箸でかきこむように食べることです。品のない食べ方ですので、止めましょう。

・渡し箸
和食では、お箸を置くときに必ず箸置き使うのがマナーです。器の上箸を渡して置くことは「渡し箸」といわれ、マナー違反です。

その他にも、手前や端から食べるというマナーを無視し、奥の料理に箸を付け盛り付けを崩す「探り箸」、煮物などの滑って掴みにくい料理を突き刺して食べる「刺し箸」もマナー違反として知られています。

●食べ方や姿勢のNG
うどんやそばなどの麺類は、普段の食事では音を出してすすってもマナー違反ではありません。しかし懐石・会席料理では音を立てないのがマナーです。
熱い料理に息をフーフー吹きかけて冷ますのもNG行為。熱々の状態で出てきても、薄味の物から、盛り付けの手前から、といったルールを守って順番に食べているうちに、適度に食べやすい温度になります。

洋の東西を問わず、美しい姿勢で食べるのは食事において重要なことです。猫背にならないようにテーブルと適切な距離を保ち、自然と背筋が伸びて食べやすい姿勢を心掛けてください。
また、汁の落ちやすいものを食べるときは、器に顔を近づけて食べる「犬食い」の形になってしまうことがあるので気を付けましょう。

洗練された和食のマナーを身に付けましょう

日本人は普段の食事でお箸を使い慣れているだけに、いつもの癖がお店で食事をするときにも現れがちです。家族や気が置けない友人との食事では問題がないことも、かしこまった席ではマナー違反になってしまうことがあります。
「箸の使い方で、育ちがわかる」ともいわれます。今回の記事を参考に、急に料亭などの高級店に招待されたり、取引先を接待することになった場合でも、慌てることなく、上品で洗練された立ち居振る舞いができるよう、日頃から和食のマナーを身に付けておきましょう。