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歌舞伎の演目を初心者にわかりやすく解説!歌舞伎デビューにおすすめ

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日本が世界に誇る、伝統芸能「歌舞伎」。一度は観てみたいと思いながらも、難解なイメージがあり、なかなか一歩を踏み出せずに迷っている人はいませんか?難しそうに感じるかもしれませんが、歌舞伎はもともと庶民の娯楽です。初心者でもわかりやすい演目がありますし、内容がわかるパンフレットも用意されていて、予備知識がなくても十分に歌舞伎を楽しむことができます。
今回は、興味はあるけれど何を観たら良いのか悩んでしまうという人のために、歌舞伎観賞の基礎知識や、歌舞伎デビューにおすすめの人気演目についてご紹介します。

【目次】
1. 歌舞伎の基本
2. 初心者でも楽しめる歌舞伎の見方
3. 歌舞伎演目の種類
4. 押さえておきたい歌舞伎の人気演目
5. 人気の歌舞伎演目をぜひ劇場で

歌舞伎の基本

今から400年以上前の戦国時代から江戸時代初頭にかけて、京都で人気を呼んだ「かぶき踊り」が、現在の歌舞伎のルーツといわれています。派手な衣装や斬新な動きで人々を楽しませるかぶき踊りはすぐに全国に広まり、時代の流れとともに「女歌舞伎」「若衆歌舞伎」「野郎歌舞伎」と形を変えながら、現在の歌舞伎の土台が出来上がりました。

●庶民の娯楽「歌舞伎」
歌舞伎は江戸時代、「庶民の娯楽」として親しまれていたため、武家や公家などの身分の高い人は幕府の規制で芝居小屋へ立ち入ることが禁止されていました。しかし、歌舞伎の人気は高く、身分を隠してまで多くの武士たちが歌舞伎を見に行き、連日芝居小屋はにぎわいを見せたといわれています。
明治時代に入ると、歌舞伎は日本を代表する芸術として扱われるようになり、身分に関係なく、誰もが楽しめるようになりました。ただし、演出や構成については政府から干渉を受けており、外国人や上流階級の知識人らのために芝居を演じるような要求もあったため、それに合わせて新たな芝居・表現技法が発達しました。
現在は、日本の重要な伝統芸能として「ユネスコ世界無形文化遺産」に登録されるなど、世界的に高い評価を受けながら、多くの人に好まれる演劇のひとつになっています。

●歌舞伎の座館(主な劇場)
歌舞伎の公演は、各地にある座館や劇場で年間を通して行われています。昼・夜の二部、もしくは三部制で当日券も販売されており、思い立ったらすぐに観劇することができます。

<歌舞伎座>
東京・銀座にある歌舞伎座は、明治22年に開場して以来、幾多の戦争や天災による被害を乗り越え、5度も建て直されながらも、現在に至るまで歌舞伎界を支えてきた歴史ある座館です。世界で唯一の歌舞伎専用劇場であり、劇場の規模や建物の華やかさはもちろん、食事処や売店なども充実していて、歌舞伎の殿堂の名にふさわしい劇場といえます。

<新橋演舞場>
大正14年に開場し、松竹の主要劇場として歌舞伎だけでなく新喜劇、新国劇、歌手による芝居公演などを上演しています。年1回、新橋の花柳界が集結し日本の芸能や書画、日本料理などの日本文化を楽しめる特別な催しとして「東をどり」公演が行われていますが、その舞台となるのが新橋演舞場です。

<大阪松竹座>
大阪・道頓堀にあり大正12年に開場した、関西初の洋式劇場です。大阪の洋画の殿堂として数々の洋画作品の上映を行ってきましたが、映画館としての役目を終え実演の劇場として生まれ変わり、平成9年に新築開場しました。松竹制作の歌舞伎、新劇、新喜劇のほか、歌劇やミュージカルなども上演されています。

<京都四条南座>
歌舞伎発祥の地である京都・四条で、1615年~1623年頃に作られた見世物小屋7つのうち、唯一、現在まで残り伝統を伝えている由緒ある座館です。平成8年には国の登録有形文化財に指定されており、京の町が引き立つ見事な豪華さと華やかさが特徴です。ただし、平成28年1月より、改修工事のため一時閉館となっています。(平成28年8月現在)

ちょっと良い席で歌舞伎の歴史を感じながら観たいという人には、歌舞伎座などの大きな座館がおすすめです。そのほか、全国の市民会館やフェスティバルホールなどでの巡業やイベント公演も行われています。手頃な価格で歌舞伎を楽しめるイベントが近くで開かれているかもしれません。

初心者でも楽しめる歌舞伎の見方

最初から歌舞伎の全演目を見て理解しようとするのは、少し難しいかもしれません。「ちょっとだけ歌舞伎に触れてみたい」という歌舞伎初心者におすすめなのが、一幕見席(ひとまくみせき)、筋書き、イヤホンガイドの3つのです。

●お得な一幕見席
歌舞伎のチケット代は、座席や演目によって大きく異なります。
例えば、歌舞伎座の場合、4,000円から20,000円まで幅広い価格設定がされています。

1階桟敷席(一段高く作られた掘りごたつ形式の席)・・・20,000円
1等席(1階、2階の前方の席)・・・18,000円
2等席(1階、2階の後方の席)・・・14,000円
3階A席(3階前方の席)・・・6,000円
3階B席(3階後方の席)・・・4,000円

桟敷席や1等席の価格を見ると、ちょっと手が届かないと感じるかもしれませんが、このほかに「一幕見席」という席があります。一幕見席とは、歌舞伎座の4階に位置し、椅子席約90名、立ち見約60名の計150名ほどの席です。一幕見席はすべて自由席で、予約不可の当日券のみの取り扱いなので、当日に思い立っても、早めに行けば歌舞伎を観ることができます。
一幕見席は、好きな演目(場面)だけを見られるため、1時間前後の上演時間で気軽に楽しめます。価格は1,000円~2,000円とお手頃な価格で、少しだけ試しに歌舞伎を観たいという人におすすめです。

●筋書き
映画でいうパンフレットのようなもので、役者の写真や配役、あらすじ、見どころなどが載っています。事前に読んでおけば大体のストーリーがつかめるので、舞台もより楽しめるでしょう。
チケットボックスなどで手に入る無料のチラシにも、簡単なあらすじが書いてある場合があるので、上演前にはチェックしておくと良いでしょう。

●イヤホンガイド
ほとんどの劇場で、「イヤホンガイド」をレンタルできます。イヤホンガイドは、音声による同時解説をしてくれる機器で、劇場により異なりますが、700円前後(別途保証金として1,000円、終了時に返却)で借りられます。舞台の進行に合わせて、登場人物やあらすじの紹介、衣装や道具などの解説をしてくれるので、セリフがわからなくても楽しめます。

歌舞伎演目の種類

歌舞伎の演目は、400以上といわれるほど多くの種類がありますが、そのうちよく上演されるのは100演目ほどです。演目は、大きく分けると3種類に分類することができます。

●時代物
主に公家や武家の社会を扱った作品で、演目は江戸時代以前の歴史的な事件などを題材としており、江戸時代の人々にとっての時代劇のようなものです。曽我兄弟や源義経などが多くの作品に登場するほか、「忠臣蔵」など壮大なストーリーでやや難解なセリフが見られる演目が有名です。

●世話物
江戸時代の人々にとっての現代劇にあたる演目で、江戸の庶民社会を題材にしています。ストーリーは幅広く、フィクションとしながらも、当時世間を騒がせた殺人事件などをもとに作られた演目もあります。よく知られているものでは「曽根崎心中」などがあり、セリフが現代語に近くてわかりやすいため、初心者にもおすすめです。

●所作物
セリフがほとんどなく、舞踏が中心の演目を指します。歌舞伎演目の中で、舞踏は「所作事」と呼ばれ、重要な意味を持ちます。一人の踊り手が次々に衣装を変えながら異なる役柄を演じて踊るものや、能や狂言を題材にした舞踏劇など、内容はさまざまです。

押さえておきたい歌舞伎の人気演目

せっかく歌舞伎を見に行くなら、人気の演目を見てみたいと思いませんか?初心者におすすめの演目をピックアップして、見どころを解説します。

●義経千本桜
源平合戦の後に都落ちをする源義経と、敗れた平家の武将らをめぐる人間ドラマを描いた作品です。歌舞伎演目の中でも傑作といわれる作品のひとつで、5段構成になっています。
中でも4段目に登場する、役者が宙づりになり舞台から客席の上を通って3階席上のゴンドラまで飛んで行くという「宙乗り」の場面が有名です。セリフやストーリーがあまりわからなくても、歌舞伎ならではの大掛かりな演出や役が変わる早替わりなど、見どころは盛りだくさんです。

●勧進帳(かんじんちょう)
能の影響を受けた作品で、源義経と弁慶らが奥州平泉へと落ち延びてゆく途中、関所を通過する際の関守との攻防を描いた時代物の演目です。なんとしても関所を通過しようとする弁慶と、関守の富樫左衛門との息の詰まるような問答や、義経による長唄や優雅な舞など、見どころは多く、幾度も名優たちが演じてきた人気の高い演目です。

●連獅子(れんじし)
連獅子は、所作物の中でも人気の演目で、親子の獅子が激しく首を振って踊るシーン(毛振り)が歌舞伎らしく、初心者にもおすすめです。獅子の親子の、厳しくも愛情にあふれる子育てを題材とした作品で、ラストの親子揃って行うダイナミックな毛振りは圧巻です。襲名披露公演でもよく演じられる演目のため、本物の親子が演じる連獅子を見られる機会もあるかもしれません。

●助六由縁江戸桜(すけろくゆかりのえどざくら)
通称「助六」と呼ばれます。世話物の中でも、ストーリーがわかりやすく、魅力あふれるキャラクターが次々に登場するため目が離せません。主人公である江戸前の伊達男・助六が父親の敵討ちのために遊女屋に出入りするという話ですが、シリアスな場面よりも、助六と恋人の花魁・揚巻の威勢のいいセリフやコミカルな掛け合いが見どころです。

人気の歌舞伎演目をぜひ劇場で

歌舞伎には、劇中のポーズやセリフに独特の決まりごとがあるので、完璧に理解しようとすると初心者には難しく感じるかもしれません。しかし、観劇してみると、歌舞伎ならではの華やかな演出や役者の迫力ある演技、美しい所作、コミカルな掛け合いなど、眺めているだけでも感動できる良い時間を過ごせるでしょう。好きな演目や役者ができれば、さらに知識を深められます。難しく考えすぎずに、まずは気になる演目ひとつから足を運んでみてください。