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エシカルファッションとは?人や環境に配慮したおしゃれのあり方

ファッション


環境や生産者に配慮して製造されたファッションのことをエシカルファッションと言います。
例えば服を選ぶとき、その一着を購入することが世界の貧困や労働者の人権問題、環境問題にどのような影響を与えるのか、考える人はあまりいないかもしれません。エシカルファッションについて知ることは、服が生産される裏にある、数々の課題に目を向けることでもあります。
今回は、エシカルファッションの表す意味や具体例についてお伝えします。

【目次】
1. エシカルファッションとは?
2. エシカルファッションのポイント1:オーガニックコットン
3. エシカルファッションのポイント2:フェアトレード
4. エシカルファッションを購入する意義

エシカルファッションとは?

エシカルファッションがどのようなものなのか、まずは意味や特徴について解説します。

●エシカルファッションの意味
「ethical(エシカル)」とは「倫理的な、道徳的な」という意味なので、エシカルファッションは直訳すると「倫理的なファッション」です。
具体的には、服の素材や服そのものを作り出す過程において、環境面や生産者との関わりに配慮して生産されたファッションのことをエシカルファッションと呼びます。
似たような印象の「エコファッション」や「グリーンファッション」との違いは、環境問題にとどまらず、生産者の貧困問題や地域固有の技術の保全といった、より広い部分に目を向けているところです。

●エシカルファッションの特徴
エシカルファッションにはいくつかの特徴があります。
環境に配慮するという観点からは、「農薬を多量に使用する効率重視の栽培方法ではなく有機栽培で素材を生産している」「環境負荷の低い天然素材やリサイクル繊維、エコな化学繊維を使用している」「在庫商品などを回収し、再生利用に取り組んでいる」などが挙げられます。
また、「認証を受けたフェアトレードを行い、生産者の賃金や適切な労働環境を確保している」「地域産業や産地の活性化を目指し、伝統的な技術の伝承と向上を目指している」など、生産者や産地を取り巻く環境についても配慮している点が特徴として挙げられます。

●エシカルファッション登場の背景
エシカルファッションという考え方が生まれた背景には、安価なファッション(ファストファッション)の流行があります。価格を抑えるために素材や労働力に極力お金をかけていないファストファッションには、大量生産されて余った服がリサイクルされずに廃棄されるといった問題がありました。

世界的な問題となった出来事の一つとして、2013年にバングラデシュで起きた「ラナ・プラザ崩落事故」が挙げられます。ラナ・プラザは違法に増築されたビルで、現地の人々が安い賃金で労働を強いられていました。ビルに亀裂が見つかっていたにもかかわらず、工場の管理者が操業を続けた結果、1100人以上もの犠牲者を伴う事故が起きてしまいました。
こうした強制労働や環境破壊が世界的な問題となり、状況を打開すべく、近年ではファストファッションから有名ブランドまで、さまざまな企業がエシカルファッションに取り組み、人と環境に優しいファッションを提案するようになっています。

エシカルファッションのポイント1:オーガニックコットン

エシカルファッションを語る上で、大切なポイントの一つがオーガニックコットンです。なぜオーガニックコットンが人と環境に優しいのか、解説いたします。

●オーガニックコットンとは?
「オーガニックコットン」と呼ぶためには、主に以下の3点について守られていることが条件です。

・栽培に使われる農薬や肥料の厳格な基準を順守し、育てられていること
・製造における全工程を通じて化学薬品の使用を最小限に抑えていること
・労働者の安全を守って製造されること

また、オーガニックコットンの栽培ができるのは、2~3年以上オーガニック農産物などの生産を実践し、認証機関に認められた農地だけです。
畑そのものや栽培方法、製造方法のすべてについて認証機関からの認証を受けて、初めてオーガニックコットンを名乗ることができます。

●一般的なコットンとの違い
通常の綿花栽培では、殺虫剤・落葉剤・除草剤などの農薬が多量に使われます。国によって農薬の使用量は異なりますが、途上国では必要以上の農薬が散布されることがあり、綿花労働者の多くが農薬の中毒症状に苦しめられています。収穫した後も、綿花の加工や染色には化学薬品が使われます。

オーガニックコットンと一般的なコットンの見た目に大きな差はなく、製品を比べて違いを見分けることはできません。しかし、栽培方法から加工に至るまでには違いがあり、人体と環境に与える影響にも大きな差があります。

●オーガニックコットンの見分け方
オーガニックコットンは、産出国の認証機関がそれぞれの基準に基づいて認証を行い、品質を管理しています。国際的に知られている機関として挙げられるのは、「Global Organic Textile Standard(GOTS)」や「Organic Content Standard(OCS)」などです。
日本では、日本オーガニックコットン協会(JOCA)により認証された証しであるJOCAタグがオーガニックコットン製品を見分ける際の助けとなります。JOCAでは、原料の綿花がオーガニックであることに加えて、日本国内での製造加工が認証基準に基づき環境に配慮された方法で行われているかをチェックします。そして、認証基準をクリアしたJOCAメンバー企業による製品のみが、JOCAタグを添付することができます。

エシカルファッションのポイント2:フェアトレード

エシカルファッションに関する、もう一つのポイントは「フェアトレード」です。生産者や労働者の生活改善と自立を目指す、「公平・公正な貿易のしくみ」のことを言います。

コーヒーやカカオ、お茶などの食料品、日用品が低価格で売られている背景では、途上国の生産者が不当な扱いを受けたり、生産性を上げるために環境が破壊されたりといった問題が起こっています。
そこで、開発途上国で生産される原料や製品について、正当な対価を払って購入し、生産者の労働環境と生活水準の改善を目指そうとして始まった動きがフェアトレードです。

綿花栽培で言えば、生産者が適正な対価を得られないために生産性を上げることを余儀なくされ、殺虫剤や防腐剤を多量に使用するといった事態が起こっています。フェアトレードによって生産者に正当な対価が支払われれば、こうした悪循環を防ぐことにもつながり、生産者と環境の両方を同時に守れるはずです。

フェアトレード製品には「国際フェアトレード認証ラベル」が貼付され、原料の生産から製品の完成に至るまで、国際フェアトレードラベル機構による基準が守られていることを表します。多岐にわたる基準は経済的基準、社会的基準、環境的基準という3つの観点から成り立っており、それをクリアした製品のみが、フェアトレード製品として認められます。

エシカルファッションを購入する意義

「ピープル・ツリー」や「ステラ マッカートニー」など、世界的なトップブランドの中にもエシカルファッションに力を入れているブランドがあります。また、ファストファッションの代表的ブランドとして知られるH&Mなども、近年はエシカルファッションに取り組んでいます。
オーガニックコットンを使用した製品やフェアトレード製品は、数ある商品に比べると決して安くはないかもしれません。しかし、安価すぎる製品が生産される背景を考えれば、正当な対価であると納得できるのではないでしょうか。
エシカルファッションの購入は、日々消費している衣服の生産の裏にある、途上国の貧困や労働者の人権問題、環境汚染といった課題と向き合うことにつながります。そして、衣服の生産者や労働者の生活を改善し、地球環境の破壊に歯止めをかけることにもつながるでしょう。