THE FLANDRE MAGAZINE | フランドルマガジン

夏が終われば秋が来るー、ホントに早いわー♪
なんて森高千里の歌にもあったけれど、本当にあっという間に秋になってしまった。というよりむしろもうすぐ冬・・・だけどこの歌、20年以上も前の曲とは思えないほどに歌詞もメロディーもイケている。何より森高さんがちっともオバサンになっていないのがステキだ。変わらないのに古臭くない。世の中にはそんな「相変わらずステキなもの」がある。

秋のお菓子にも、ある。自由が丘モンブランのモンブラン最近は渋皮を使った茶色のタイプも多いけれどここのは昔から変わらず黄色い山でできた王道のモンブラン。黄色い栗クリームの山がカステラの上にのっている。学生の時から大好きなケーキだ。カステラの中にはカスタードクリームと愛媛県産栗、その上にはバタークリーム、生クリーム、マロンクリーム。そしてお山のてっぺんには雪のかたちをした白いメレンゲがのっている。食べ終わる頃に、カスタードクリームの底に栗が沈んでいるのを発見すると、いまだに嬉しくて子供のようにはしゃぎたくなる。

いつ食べても変わらないこのおいしさは、しっかりした山のいでたちに反して、意外と繊細な優しい味のおかげだ。夏の終わりに昔の彼に会った。「食事しよう」ということだったけど、ひさしぶりの再会にお酒も進む。店を出てから外の空気に触れて酔いを少しさましていると、ふいにオデコにボトルの水。「相変わらず飲むとすぐ赤くなるんだね」と、いつの間にかそばで笑っている。こういうさりげない優しさはちっとも変わらない。この元彼とは結局そのまま別れたけれど、そのあともしカラオケにでも行っていたら、まるでドラマ『昼顔』の上戸彩と斎藤工のようだったかしら・・・。

「歌決めた?」工が言う。
「え?一緒に歌おうよ」彩が言う。
「おう!・・・あの頃何歌ったっけ?」
  曲目をリモコンで探しながら、過去へと遡る。
「私たちって・・・今はないんだね」
「・・・」
そう、きっと現実に戻されるんだろう。でも、もう付き合うことはなくても、ちっとも変わらない優しさは、食べるたび優しくて甘いモンブランのようだ。

  モンブラン ¥575
『素朴でしっかりした中山栗などの素材を、繊細な口当たりとが重なる!』
  by オオタ

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